2012年3月27日火曜日

C++のテストフレームワーク googletestを試してみた

はじめに
前回の記事ではテスト環境を構築するため、C++用テストフレームワークCppUnitを試しました。今回は、こちらもC++用テストフレームワークとして有名なgoogletestを試してみます。

googletestを使う準備をする
準備は以下のコマンドから。
cmakeが必要なので、あらかじめ入れておく必要があります。


$ svn checkout http://googletest.googlecode.com/svn/trunk/ googletest
$ cd googletest
$ mkdir mybuild
$ cd mybuild/
$ cmake ..
$ make
一連のコマンドで、libgtest.a, libgtest_main.aが出来上がります。
  
テストプログラムを書いてみる
CppUnitとの比較のため、今回もテスト対象のプログラムはFizzBuzz問題としました。
//FizzBuzz.h
#include <string>
 
class FizzBuzz {
  public:
    std::string Print(int n);
};
//FizzBuzz.cpp
#include <sstream>
#include "FizzBuzz.h"
 
using namespace std;
 
string FizzBuzz::Print(int n) {
  ostringstream sout;
  if(n % 3 == 0) sout << "Fizz";
  if(n % 5 == 0) sout << "Buzz";
  if(n % 3 != 0 && n % 5 != 0) sout << n;
  return sout.str();
}

次にテストプログラムを書きます。
googletestの場合には、出来上がったlibgtest_main.aを利用することで、Main関数を作成しなくても良いみたいです。
//FizzBuzzTest.cpp
#include "FizzBuzz.h"
#include "gtest/gtest.h"
 
class FizzBuzzTest : public ::testing::Test {
 protected:
 
  FizzBuzzTest() {
  }
 
  virtual ~FizzBuzzTest() {
  }
 
  virtual void SetUp() {
    this->fb_ = new FizzBuzz();
  }
 
  virtual void TearDown() {
    delete this->fb_;
  }
 
  FizzBuzz* fb_;
};
 
TEST_F(FizzBuzzTest, testFizz) {
  EXPECT_EQ("Fizz", fb_->Print(3));
}
 
TEST_F(FizzBuzzTest, testBuzz) {
  EXPECT_EQ("Buzz", fb_->Print(5));
}
 
TEST_F(FizzBuzzTest, testFizzBuzz) {
  EXPECT_EQ("FizzBuzz", fb_->Print(15));
}
 
TEST_F(FizzBuzzTest, testOther) {
  EXPECT_EQ("2", fb_->Print(2));
}

コンストラクタとデストラクタ、SetUpとTearDownは、テストケースを実行する前後の処理を定義する関数です。コンストラクタ→SetUp→テスト関数→TearDown→デストラクタの順に呼び出されます。使い分けとしては、例外処理を扱う場合はSetUp/TearDownを使うべきとのこと(詳細はこちら)。
前回の記事と同様に、3を引数としたときには"Fizz"を、5を引数にしたときには"Buzz"を、15を引数にしたときには "FizzBuzz"を、2を"2"を出力することを確認する4つのテストケースを作成しました。

$ g++ -I{$GOOGLE_TEST_DIR}/include FizzBuzz.cpp FizzBuzzTest.cpp {$GOOGLE_TEST_DIR}/mybuild/libgtest.a {$GOOGLE_TEST_DIR}/mybuild/libgtest_main.a -o FizzBuzzTest
$ ./FizzBuzzTest
Running main() from gtest_main.cc

[==========] Running 4 tests from 1 test case.
[----------] Global test environment set-up.
[----------] 4 tests from FizzBuzzTest
[ RUN      ] FizzBuzzTest.testFizz
[       OK ] FizzBuzzTest.testFizz (0 ms)
[ RUN      ] FizzBuzzTest.testBuzz
[       OK ] FizzBuzzTest.testBuzz (0 ms)
[ RUN      ] FizzBuzzTest.testFizzBuzz
[       OK ] FizzBuzzTest.testFizzBuzz (0 ms)
[ RUN      ] FizzBuzzTest.testOther
[       OK ] FizzBuzzTest.testOther (0 ms)
[----------] 4 tests from FizzBuzzTest (0 ms total)

[----------] Global test environment tear-down
[==========] 4 tests from 1 test case ran. (0 ms total)
[  PASSED  ] 4 tests.

できました!
ここでは表現できていないのですが、実際にはテストが通れば緑文字、そうでなければ赤文字でコンソール上に結果が出ます。

相変わらず大した内容でもありませんが、今回のソースコードはこちらにまとめましたので、参考にどうぞ。 

CppUnitとの比較
ちょっと試しただけなので比較するほど使いこめてはいないのですが、
  • googletestの方が記述量が少ない
  • googletestのほうがアサーションが豊富
    CppUnitが10個程度なのに比べてgoogletestは40個以上?
    (数えてみたのですが多かったので途中で断念しました。)
  • 成功で緑、失敗で赤表示が嬉しい
と感じたので、この2つの中で選ぶのなら、個人的にはgoogletestをお勧めします。  

さいごに
今回参考にしたサイトは以下です。
http://d.hatena.ne.jp/snaka72/20110720
http://opencv.jp/googletestdocs/index.html

2012年3月24日土曜日

C++のテストフレームワーク CppUnitを試してみた

はじめに
前回の記事でアジャイルサムライの感想を書きました。今回は少しでも読んだ内容を活かすため、テスト駆動開発ができるよう、テスト環境を構築してみることにします。
私はC++を主に使っているので、C++のテストフレームワークを色々探してみました。以下が見つけたC++用テストフレームワークの一例です。
色々探した中でよく名前が挙がっていたのが、CppUnit, googletest, Boost.Testあたりでした。今回はCppUnitを利用してみます。

ダウンロードとインストール
http://sourceforge.net/projects/cppunit/から、cppunit-1.12.1.tar.gzをダウンロードして、解凍&インストール。
$ tar zxvf cppunit-1.12.1.tar.gz
$ cd cppunit-1.12.1
$ ./configure
$ make
$ sudo make install

テストプログラムを書いてみる
テストプログラムを書くにあたって、テスト対象のプログラムが必要です。
今回は適当に、FizzBuzz問題のプログラムを書いてみました。
入力した数字によって対応した文字列を返すPrint関数を持つ、FizzBuzzクラスを作りました。

//FizzBuzz.h
#include <string>
 
class FizzBuzz {
  public:
    std::string Print(int n);
};
//FizzBuzz.cpp
#include <sstream>
#include "FizzBuzz.h"
 
using namespace std;
 
string FizzBuzz::Print(int n) {
  ostringstream sout;
  if(n % 3 == 0) sout << "Fizz";
  if(n % 5 == 0) sout << "Buzz";
  if(n % 3 != 0 && n % 5 != 0) sout << n;
  return sout.str();
}

まず、テストプログラムのMain関数を用意します。
Main関数はテンプレなので、基本的には改変する必要がありません。

//TestMain.cpp
#include <cppunit/TestResult.h>
#include <cppunit/TestResultCollector.h>
#include <cppunit/BriefTestProgressListener.h>
#include <cppunit/TestRunner.h>
#include <cppunit/extensions/TestFactoryRegistry.h>
#include <cppunit/CompilerOutputter.h>
 
using namespace CPPUNIT_NS;
 
int main(int argc, char **argv) {
  /* テストコントローラの生成 */
  TestResult controller;
  TestResultCollector result;
  controller.addListener(&result);
 
  BriefTestProgressListener progress;
  controller.addListener(&progress);
 
  /* テストを追加して、テストの実行 */
  TestRunner runner;
  runner.addTest(TestFactoryRegistry::getRegistry().makeTest());
  runner.run(controller);
 
  CompilerOutputter outputter(&result, stdCOut());
  outputter.write();
 
  return result.wasSuccessful() ? 0 : 1;
} 
次に、テストクラスを用意します。
//FizzBuzzTest.cpp
#include "FizzBuzz.h"
#include <cppunit/extensions/HelperMacros.h>
 
using namespace CPPUNIT_NS;
 
class FizzBuzzTest : public TestFixture {
  CPPUNIT_TEST_SUITE( FizzBuzzTest );
  
  /* ここから、テストケースを設定 */
  CPPUNIT_TEST( testFizz );
  CPPUNIT_TEST( testBuzz );
  CPPUNIT_TEST( testFizzBuzz );
  CPPUNIT_TEST( testOther );
  /* ここまで */
  
  CPPUNIT_TEST_SUITE_END();
 
  FizzBuzz* fb_;
  void testFizz();
  void testBuzz();
  void testFizzBuzz();
  void testOther();
 
public:
  void setUp() {
    this->fb_ = new FizzBuzz();
  }
  void tearDown() {
    delete this->fb_;
  }
};
 
/* ここから、テストケースを記述 */
void FizzBuzzTest::testFizz()
{
    std::string s = "Fizz";
    CPPUNIT_ASSERT_EQUAL(s, fb_->Print(3));
}
 
void FizzBuzzTest::testBuzz()
{
    std::string s = "Buzz";
    CPPUNIT_ASSERT_EQUAL(s, fb_->Print(5));
}
 
void FizzBuzzTest::testFizzBuzz()
{
    std::string s = "FizzBuzz";
    CPPUNIT_ASSERT_EQUAL(s, fb_->Print(15));
}
 
void FizzBuzzTest::testOther()
{
    std::string s = "2";
    CPPUNIT_ASSERT_EQUAL(s, fb_->Print(2));
}
/* ここまで、テストケースの記述 */
 
CPPUNIT_TEST_SUITE_REGISTRATION(FizzBuzzTest);
テストする関数を定義して、その関数をテストケースとして設定していくだけです。また、setUPとtearDownは、テストケースを実行する前後の処理を定義する関数です。このため、各テストケースは影響しあいません。
今回のテストでは、3を引数としたときには"Fizz"を、5を引数にしたときには"Buzz"を、15を引数にしたときには "FizzBuzz"を、2を"2"を出力することを確認する4つのテストケースを作成しました。

$ g++ TestMain.cpp FizzBuzzTest.cpp FizzBuzz.cpp -lcppunit -o FizzBuzzTest
$ ./FizzBuzzTest
FizzBuzzTest::testFizz : OK
FizzBuzzTest::testBuzz : OK
FizzBuzzTest::testFizzBuzz : OK
FizzBuzzTest::testOther : OK
OK (4)
できました!
 大した内容でもありませんが、今回のソースコードはこちらにまとめましたので、参考にどうぞ。 

さいごに

参考にしたサイトは以下です。
http://www.atmarkit.co.jp/fdotnet/cpptest/cpptest02/cpptest02_01.html
http://d.hatena.ne.jp/echizen_tm/20120127/1327675864 

関連記事
C++のテストフレームワーク googletestを試してみた

2012年3月16日金曜日

アジャイルサムライ-達人開発者への道- を読んでみました

仕事がIT関係の研究なので、開発するとしても一人でプロトタイプを作ったりかデモを作ったりするだけなのですが、新人の頃、研修として開発現場に参加した経験があります。その開発現場では、ウォーターフォール・モデルで開発していたんですが、何かと手戻りはするし、変更につぐ変更でテストした部分までやり直しになるしで、あまりいい思い出がありません。

そこで、もう少しいい開発手法はないのかしら?と思い、最近よく見かけるアジャイル開発を学んでみることにしました。読んだ本は以下です。技術書にしては気軽に読める内容で、ひと通り読むだけなら3時間程度で終えることができました。

アジャイルサムライ−達人開発者への道−
Jonathan Rasmusson
オーム社
売り上げランキング: 1060

こうした開発手法の本を読むのは初めてだったのですが、つまるところ、コミュニケーションに関する本なのかなという印象を持ちました。顧客との間、また開発チームとの間の齟齬をできるだけ減らしていくことに着目した開発手法なのかな、と。

作るものが美術作品や途中経過が目に見えてわかるし、完成作品の予想がつくけれど、ソフトウェアは意識してデモとかプロトタイプとか作っていかないと、最後まで予想がつきません。その中で、顧客や開発チーム間での齟齬を減らすためには、早い段階から動くものを作って見せることが解決策の一つである、というのがアジャイル開発の中核なのかなと感じました。そして、早い段階から動くものを作って見せるとなると、優先順位の高いものから開発していく必要はあるし、常にテストしておかないといけないし…ということで、
イテレーションや継続的インテグレーションといった方法が適しているのだと思います。

せっかく本を読んだので、アジャイル開発を試してみたいなと思ったのですが、仕事では実験用のプロトタイプを作ったりするくらいしか、ソフトウェア開発の機会がないのですよね。アジャイル開発を試すのはしばらく置いておいて、まずは手始めに、ひとりでもできるテスト駆動開発を読んでお勉強しようかなと思います。

2012年3月11日日曜日

Codecademyを始めてみました

Codacademyを毎日少しずつやっています。
Codacademyは、チュートリアル形式でJavascriptを学べるWebサービスです。
良いところとしては、進捗度が細かく表示されたり、進めていくとバッジがもらえたりするところかなと思います。
進める意欲が湧くので、なかなか長続きしない私でも続いています。

なかなか面白いサービスだと思います。
英語の勉強にもなりますし、興味がありましたら、ぜひ。

MacでGit

はてなブックマークを眺めていたら、こんな記事を発見。

○非エンジニア向けGitの使い方
http://blog.katty.in/758

お恥ずかしながら、Gitをこれまでバックアップ程度にしか使っていなかったな…と思い、自宅のMacでgit環境を構築してみることにしました。
また、DropBox(http://www.dropbox.com/)も使ってみたいなーと思っていたので、良い機会なのでDropboxを利用したGit環境の構築をしてみました。
以下が参考URLです。メモメモ。

○最速で Git を Mac にインストールして基本的なコマンドを使う方法
http://weble.org/2011/02/14/git-mac-install

○Mac OS 10.6 に MacPorts を入れる際に役に立ったサイト
http://weble.org/2010/06/17/macports

○gitとDropboxでお手軽・無料のSource Hostingを実現する
http://naoki.sato.name/lab/archives/38

Frameworkの追加

iPhoneアプリ開発中によく忘れるのでメモ。
Frameworkに追加するとき(Xcode4.2.1)は
TARGET → Build Phases → Link Binary With Libraries → +


MacからWindowsへリモートデスクトップ接続

メモ書き。

○ソフトウェアをダウンロード
http://www.microsoft.com/japan/mac/
↑のダウンロード->Remote Desktop

○Windowsで右クリック
control+shift+クリック

○シャットダウンしたいとき
control+option+fn+→キー